映画館で映画を観ると、上映前やエンドロール付近に表示される「PG12」「R15+」「R18+」といった映倫マーク。
「年齢制限なのは知っているけど、誰が決めているの?」
「どうして映画は審査を受ける必要があるの?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?
この記事では、映倫マークの役割や審査の流れ、そして映画業界が自主的にこの制度を運営している理由を、エンタメ業界で働く立場から分かりやすく解説します。
目次
映倫マークとは?
映画館で上映される作品には、
- G
- PG12
- R15+
- R18+
といった区分が表示されています。
これは**映画倫理機構(通称:映倫)**が審査した年齢区分です。
映倫は、「この映画は何歳くらいからの鑑賞が適切か」を示すための第三者機関です。
※PG12は「12歳未満は保護者の助言・指導が望ましい」、R15+・R18+は年齢制限となります。
なぜ映倫の審査があるの?
映倫は映画の表現を規制するためだけに存在しているわけではありません。
映画という新しい娯楽が普及し始めた頃から、
「子どもに見せていいのか」
「暴力表現は問題ではないか」
という社会的な議論が繰り返されてきました。
映画業界は、そうした批判に対して
「作品ごとに内容を確認し、年齢区分を設けて上映しています」
という自主的な仕組みを整えました。
つまり、
映画文化を守りながら、お客さんにも安心して映画を楽しんでもらうための自主ルール
という側面が強い制度なんです。
映倫はどうやって審査している?
映画がほぼ完成した段階で、配給会社などが映倫へ審査を依頼します。
業務試写に来てもらったり、映像の入ったディスクを手配したりして、審査を依頼します。
作品を視聴したうえで、
- G
- PG12
- R15+
- R18+
などの区分が決定されます。
ポイントはざっくりまとめると以下のような具合になります。
| 項目 | 内容(要約) |
|---|---|
| ① 主題・題材 | 作品全体のテーマや扱う題材を審査。犯罪や自殺、虐待、差別など社会的に影響の大きいテーマは、その描き方や必然性も含めて判断されます。 |
| ② 言語表現 | セリフや字幕、歌詞などの表現を確認。差別用語や性的表現、侮辱的な言葉は、作品内での使われ方や必要性も考慮されます。 |
| ③ 性表現 | 性行為や性的な描写を審査。露骨な表現だけでなく、性的暴力や未成年者に関する描写なども厳しく判断されます。 |
| ④ ヌード表現 | 裸体の露出度や演出方法を確認。芸術性や物語上の必要性も考慮されますが、過度に性的な強調は制限対象になります。 |
| ⑤ 暴力・残酷表現 | 暴力や流血、残虐描写を審査。生命を軽視したり、残虐行為を快楽として描くような表現は厳しく判断されます。 |
| ⑥ 恐怖・脅威 | ホラーやスリラー作品などの恐怖表現を確認。特に年少者に強い精神的ショックを与えるような描写は慎重に扱われます。 |
| ⑦ 麻薬・薬物 | 薬物の使用や犯罪への関わりを審査。薬物乱用を肯定したり、具体的な使用方法を詳しく描くことは避けられます。 |
| ⑧ 犯罪・非行 | 犯罪や非行の描写を確認。犯罪を賛美したり、模倣につながるような具体的な手口の紹介は慎重に判断されます。 |
参考:https://www.eirin.jp/img/classification-ratings.pdf
審査後は正式な区分が通知され、その区分表示を作品に入れて公開されます。
※審査料は上映時間などに応じて定められています。以下参照
https://www.eirin.jp/img/pricelist_2020.pdf洋画も映倫の審査を受ける
これは意外に思われるかもしれませんが、海外作品も日本で劇場公開する場合は映倫の審査対象です。
日本公開版では、
- 日本語字幕
- 配給会社名
- 映倫マーク
など、日本向けの情報が追加された状態で上映されます。
映倫公式Xを見ると審査理由も分かる
映倫は公式Xでも、
「暴力描写があるためR15+」
「性的表現があるためPG12」
など、区分の理由を紹介することがあります。
映画好きならフォローしておくと、
「この作品はそんな描写があるんだ」
という発見もあって結構面白いです。
まとめ
映画館で何気なく見ている映倫マークですが、
実は映画業界が長年築いてきた自主的なルールの一つです。
年齢区分を設けることで、
- 観客が安心して作品を選べる
- 映画館も安心して上映できる
- 映画文化そのものを守る
そんな役割を果たしています。
今度映画館へ行ったら、上映前の映倫マークにも少し注目してみると、映画の裏側がまた一つ見えてくるかもしれません。

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